職場や家を決めるにあたって大事なのが、通勤時間がどのくらいかかるかという点だろう。通勤時間が長くなれば、それだけ毎日のストレスや体力にはマイナスの影響を与えるからだ。また、家族と過ごす時間が必然的に減ってくるというデメリットもあるし、交通費がかさんでくるという問題も出てくる。
日本人の平均的な通勤時間を見ると、総務省の調査では1時間19分となっている。これは往復の時間なので、片道では40分程度ということになる。とはいえ、この通勤時間の平均には地域差があるという点に注目しなければならない。東京を始めとする大都市圏ではどうしても通勤時間が長くなる傾向にあり、北海道や東北、九州、四国などの地方では1時間10分よりも短いという調査結果が出ている。こうして見ると、片道30分前後の通勤時間となれば、いずれの場所でも平均的かそれ以上となる。職場や家を決める際には、この時間を参考にすると良いだろう。
一方で、理想的な通勤時間についてのアンケートを見ると、最も多いのが10分から30分以内となっている。それよりも短い通勤時間となると、かなり職場までの距離が近く徒歩か自転車での通勤となることが多いので、あまり現実的ではなくなってくる。
通勤時間で考えたいもう一つの要素は、移動手段である。同じ30分という通勤時間でも、満員電車の中で過ごすよりも、健康のために自転車で30分かけて行った方が良いと考える人もいる。単に時間が短いか長いかというだけでなく、その質や内容というのも考えると良いだろう。